概要
T°Imager™は、マイクロ電子デバイスの動作中の表面温度を、ディープサブミクロンレベルの高解像熱画像を生成して測定するCCD熱顕微鏡システムです。
可視光で表面温度の分布画像を生成する既存のシステムの中では最先端の性能を誇り、その赤外線イメージング技術は、理論上可能とされていた解像度の10倍もの高解像度を実現しています。
これは市場に出ているシステムの中では最高レベルの解像度で、その空間分解能は0.3 µmと非常に高い分解能を誇ります。サンプルの熱反射率の変化を検出することで表面温度の変化を測定する熱反射の物理学に基づいており、同社のCCDサーモグラフィックシステムは特許も取得済みです。
このシステムは速度、精度に加えて直感的なユーザー操作性に優れているため、デバイスの表面および内部の両方において、プロトタイピング、診断、およびサブミクロンレベルのホットスポット検出や障害の特定が可能です。また、コンパクトなサイズ感、堅牢性、柔軟性にも優れているほか、標準のプロービングステーションに取り付けることも可能です。OEM統合にも利用できます。
ホットスポットの検出
デバイスの信頼性を最適化し、生産歩留まりを向上させるために、不均一なパワー消散によって引き起こされるホットスポットの位置と重大性を検出します。
MOSFETのホットスポットの特定(2μmチャネル)
障害の特定
表面温度の分布画像を取得し、酸化物ピンホール、ESD損傷、ラッチアップ、隣接するライン間の切断をはじめとする局所障害を検出します。

MOSFETの酸化膜の破損による熱インプリント(15μmチャンネル)
エレクトロルミネセンス(EL)の測定
太陽電池、面発光レーザー、光増幅器、およびその他のマイクロ電子デバイスの障害や熱漏れ箇所を特定し品質管理を行うために、エレクトロルミネッセンスのサーマルマップを取得します。

マルチフィンガーMOSFETのサーマルマップ(1μmチャネル)
パフォーマンスを診断する
サブミクロンオーダーでデバイスの温度を測定し、試作品から製品化、動作、そして潜在的な障害にいたるまで、デバイスの全ライフサイクルの熱挙動を評価します。

ポリシリコン抵抗器の熱マップ(30x44μm)
特徴
- わずか数秒で熱分布の全体画像を取得
- 試料の表面処理や黒色塗料の塗布不要
- 最大1000x1000ピクセルで表面温度をマッピング
- 再現性に優れ、0.3μm間隔で0.1°Cの温度変化が確認可能
- あらゆる素材に対応し、各画素ごとにin-situキャリブレーション
- 広い視認領域を誇り、プロービングの確度向上
- パルスによるデバイスの活性化を可能にする柔軟性
- 直感的なインターフェイスと強力な画像処理システム
製品メーカー案内
TMX Scientific社(アメリカ)
マイクロエレクトロニクスの熱的課題に対する次世代ソリューションを提供する、世界的な熱挙動測定専門メーカー。熱イメージング、材料の熱物性などの熱反射率法の熱計測システムや、マルチスケール自己適応シミュレーションなどの超高速、物理駆動の計算エンジンを専門とする。世界中のお客様に熱顕微鏡システムを提供している。